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暫定最強DLNAクライアント(DMA)?「BUFFALO LinkTheater LT-H90LAN」

地上/BS/CSデジタルチューナ内蔵のLT-H90DTVレビューはこちら

 AV機器やPCの間で映像や音楽を簡単に共有するためのガイドライン(を作った団体)であるDLNAができたのは2004年。DLNAがなかなかブレイクしない要因の一つに、日本国内でのデジタル放送に対する過剰なほどの制約があることは間違いない。デジタル放送録画をDLNAで配信する際には、著作権保護規格であるDTCP-IPで暗号化しなければならないことになっており、BDレコーダなどで実装されているが、PC用ソフトとしては、VAIO等一部のPC本体とくくりつけになっているものがあるだけで、市販ソフトとしては存在しない。随分前にサイバーリンクがPC用ソフトとしてデモを行っていた(リリース)ことから、あまり技術的な問題ではないと思われる。何を懸念しているのか知らないが、善良な市民をくだらないイタチごっこに無理矢理付き合わせるのはやめて欲しいものだ。

BUFFALO LT-H90LAN
A4の短い辺サイズの横幅。

 DTCP-IPに対応しているクライアントは、PC以外に目を向けると、BRAVIAやREGZAなどのテレビがあるが、BRAVIAはMPEG-4 AVCに対応していないという致命的な問題があるし、そもそも、DTCP-IPのようなオマケ機能のためにいちいちテレビを買うわけにはいかない。希望の星は、ファームウェアのアップデートで進化を続けるPS3のDLNAクライアント機能だが、おそらくPCと同様の事情で、DTCP-IPには対応していない。

SONY BDZ-L70/A70/X90 DLNA録画ソースと対応クライアント
録画ソース
フォーマット
DTCP-IP
VAIO
デジタル放送 MPEG-2
×
×
デジタル放送 MPEG-4 AVC
×
×
×
外部入力 MPEG-2
不要
×
アナログ放送・外部入力 MPEG-4 AVC
不要
×
×
※VAIO Media plus(後日アップデート対応予定とのことなので要注意)

 そのような状況ではあるが、DLNAサーバ機能付きBDレコーダで録画したデジタル放送をLAN経由で別の部屋から見たいものは見たいということで、辿り着いたのがこのSTBタイプのDLNAクライアント(DMA)LT-H90だ。DTCP-IPやMPEG-4 AVCに対応しているだけではなく、LAN上のファイルサーバやUSB接続のストレージからも動画ファイルが読める。

BUFFALO LT-H90LAN(背面)
S端子も欲しかった。

 LT-H90には無線LAN内蔵のLT-H90WNとLANのみのLT-H90LANの2種類があるが、無線LAN接続は、高ビットレートのハイビジョン映像を見るにはスループットの点でやや不安があるので注意が必要だ。出力端子は、HDMI、D端子、コンポジット端子となっており、様々なテレビに接続できる。旧タイプのキャプチャカードやPinP機能付きモニタ、無線LANタイプならポータブルDVDプレイヤーなどに接続するのも楽しいだろう。

 設定は至って簡単だ。PCからLT-H90本体に対して行うような設定はなく、LANとテレビに接続し、DLNAサーバ側で接続許可設定をするだけですぐに使える。念願だったBDレコーダのデジタル放送MPEG-4 AVC録画ファイルにも難なくアクセスできた。

画面1 画面2
ファームも自動update
メインメニュー
画面3 画面4
サーバ選択
ジャンル選択なんかも出来ます。
画面5 画面6
どれも見られます。
デジタル放送録画の早送りや巻き戻しが
出来ないのが残念ですが。

 発売当初は、SONY製BDレコーダのMPEG-4 AVCファイルの一部にアクセスできない不具合があったようだが、現在は解消されている。しかし、DTCP-IPで再生するファイルのサーチ(早送り)が出来ないという問題が残っており、その解決が待たれるところである。

 「あなたが撮ったハイビジョン映像が、テレビでそのまま楽しめる、云々」と分かりにくいキャッチコピーで売られているが、目下の所、最もお手軽で汎用性が高いDLNAクライアントと言えるだろう。ちなみに先日、このLT-H90にCS/BS/地上デジタルチューナーを追加したLT-H90DTVが8月に発売されることが発表されている。古いテレビやHDMI付きPCモニタ等でCS/BS/地上デジタルをリアルタイムに見たい場合には、少し値は張るが、こちらを待つのもいいかもしれない。

リモコン
やたらボタンの多いリモコン。

BUFFALO LinkTheater LT-H90LAN
価格:21,000円(税別)

(2008/5/11)

追加情報

βファームウェアのアップデートでかなり幸せになりました。何でもないようなことが幸せだったと思う〜。

画面1 画面2
勇気を持ってβファーム!
DTCP-IPでレジューム再生が可能に!
画面3 画面4
DTCP-IPでn倍速早送りが可能に!
長いタイトルのスクロール表示が可能に!

(2008/10/11)

追加情報2

LT-H90シリーズは、ビデオコーデックとしてMPEG-1、MPEG-2、MPEG-4、H.264、WMV9、Xvidに、拡張子はmpg、mpeg、vob、mp4、wmv、asf、avi、m2t、m2ts、mts、3gp、3g2、mov、mkv、isoと、こちらが心配になるほど幅広く正式対応(DLNA配信できないファイルはネットワーク共有フォルダかUSB Driveから再生)していますが、tsファイル(暗号化されていないもの)もそのまま再生可能。音声切替も字幕表示(0ボタン)も可。

字幕 1.2倍速
字幕表示も可。
音声付き1.2倍速も可。

(2009/1/6)

※本ページの内容は管理人個人の主観的な評価であり、内容については保証できません。

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